Matterport導入時に
確認しておきたいポイント
VRコンテンツを自治体のデジタル資産として長期間利用するために、 表示方式だけではなく、契約・管理・納品・継続利用まで含めて 確認しておくことが重要です。
最近増えているMatterportによるVR制作
近年、ホテル、不動産、観光施設、公共施設などで、 Matterport(マターポート)を利用した 3D・VRコンテンツを目にする機会が増えています。
撮影・スキャン
施設内を複数地点から撮影・スキャンし、 Matterportのシステムへデータをアップロードします。
デジタルツイン生成
撮影・スキャンした情報から、 Matterport上で空間データを生成します。
クラウド上で公開
完成したコンテンツは、 Matterportのクラウドサービス上で管理・公開します。
一方、自治体が制作物を長期間利用する場合には、 「どのような仕組みで動いているのか」 「誰の契約によって公開されているのか」 まで理解して導入することが重要です。
Matterportの「3D」は
2つに分けて理解すると分かりやすい
Matterportは一般に「3D」「デジタルツイン」と表現されますが、 建物全体を見るドールハウス表示と、 実際に施設内部を見る際の表示・移動方法は分けて理解する必要があります。
ドールハウス表示
建物全体を立体模型のように表示する機能です。 建物を回転させたり、上から見たり、 各部屋や階層の位置関係を確認できます。
施設内部の閲覧
施設内部では、撮影・スキャンされた地点を基準として、 次の地点へ移動しながら周囲を閲覧します。
「3Dモデルの中を完全に自由歩行する」 仕組みとは異なります
Matterportでは施設内を歩いているような感覚で閲覧できますが、 ゲームや完全な3DCG空間のように、 3Dモデル内の任意の場所へ連続的に自由移動する仕組みとは異なります。
その3Dモデルの中を
どこでも自由に歩き回れる
撮影・スキャン地点を基準とした
室内閲覧を組み合わせた仕組み
VR方式を比較する場合には、 3Dという名称だけではなく、 利用者が実際にどのように空間を閲覧するのか、 情報や機能をどこまで自由に追加できるのかを確認することが重要です。
Matterportはクラウド型サービスです
自治体で導入する場合に、 特に確認しておきたいのが契約・管理の仕組みです。
利用契約
Web制作会社等
運用提供
Matterportを利用したVR制作では、
撮影会社・Web制作会社・VR制作会社などがMatterportを契約し、
その契約環境を利用して顧客にVRサービスを提供するケースがあります。
この場合、
「函館市と受託事業者との契約」
と
「受託事業者とMatterportとの契約」
という二つの契約・利用条件が関係します。
特に注意したい
「二段階の契約・サービス提供」
外部事業者を通じてMatterportを利用する場合には、 自治体と受託事業者との契約内容と、 その受託事業者がMatterportから許諾されている利用条件に 齟齬がないかを確認することが重要です。
「制作費」だけではなく
公開を続けるための条件も確認
Matterportはクラウドサービスのため、 制作時の費用だけではなく、 制作後に誰がサービスを維持・管理するのかが重要になります。
アクティブスペース
公開・閲覧等が可能なMatterportスペースは、 利用している契約プランやアカウント管理と関係します。
公開状態の維持
コンテンツを長期間公開する場合、 その公開状態を誰の契約で維持するのかを確認する必要があります。
継続費用
制作後のサービス利用料や管理費について、 誰が負担するのかを明確にしておく必要があります。
自治体で導入する前に
確認しておきたい事項
特に数年間にわたって利用する公共コンテンツでは、 以下の事項を契約前に明確にしておくことを推奨します。
MatterportとLeolineVRの
大きな違い
両者の違いは、
「360°か3Dか」でも、
「ドールハウスがあるかどうか」でもありません。
Leolineでも、必要に応じてドールハウスを制作・組み込むことが可能です。
大きな違いは、
コンテンツをどのような仕組みで構築し、
どこで公開し、誰が管理するのか
という点です。
Matterport
LeolineVR
MatterportとLeolineVRの比較
| 比較項目 | Matterport | LeolineVR |
|---|---|---|
| 基本方式 | クラウド型プラットフォーム | 独立したWebVRコンテンツとして設計 |
| 360°空間閲覧 | 対応 | 対応 |
| ドールハウス | 対応 | 必要に応じて制作可能 |
| 施設内の移動 | 撮影・スキャン地点を基準として移動 | 設計した360°VRシーン間を移動 |
| 公開環境 | Matterport Cloud | 指定Webサーバー等 |
| 専用VRクラウド | Matterportを継続利用 | 特定VRクラウドへの継続依存を前提としない |
| 契約構造 | Matterport → 制作事業者 → 発注者 となる場合がある | Leoline → 発注者 |
| 成果物 | Matterport環境上で管理・公開されるコンテンツ | WebVRコンテンツ一式として納品可能 |
| 継続利用 | Matterportの契約・アカウント・ サービス条件と関係 | Webサーバー等を維持することで継続運用可能 |
| 受託会社との契約終了 | アカウント・移管・公開条件等の確認が必要 | 納品済みWebVRを継続利用できる構成が可能 |
| 他社への引継ぎ | Matterport側の移管・契約条件等を確認 | Webコンテンツとして引き継げる構成が可能 |
| 独自デザイン | MatterportのUI・仕様を基本とする | 用途に合わせて独自設計可能 |
| 写真・動画・観光情報等 | Matterportの機能・仕様範囲で実装 | 用途に合わせて自由に構成可能 |
| 多言語・独自機能 | プラットフォームの仕様・連携機能等に依存 | 案件ごとに設計可能 |
| 長期的な管理 | プラットフォームのサービス・契約条件と関係 | 納品したWebVRをデジタル資産として管理可能 |
大きな違いは
「ドールハウスの有無」ではありません
Matterport
Matterportが提供するプラットフォーム上で、 空間の生成・閲覧・公開・管理を行う 一体型のクラウドサービスです。
LeolineVR
利用目的からVR全体を設計し、 360°VR、ドールハウス、写真、動画、 多言語情報などを必要に応じて組み合わせます。
判断基準
「どちらが高機能か」ではなく、 制作後のデータ管理・契約・継続利用まで含めて 用途に適した方式を選ぶことが重要です。
「今、どう見えるか」だけではなく、
「5年後、10年後にどう残るか」
Matterportは、建物全体を立体的に把握できるドールハウス表示と、
撮影・スキャン地点を基準とした空間閲覧を組み合わせた
クラウド型サービスです。
一方、自治体のVRコンテンツは、
制作した年度だけではなく、
将来にわたって継続利用する可能性があります。
そのため、
「誰がサービスを契約しているのか」
「誰がコンテンツを管理するのか」
「何が成果物として納品されるのか」
「契約終了後も利用できるのか」
「将来、別の事業者へ引き継げるのか」
まで確認した上で、
VR方式を選択することが重要です。
本資料はMatterportを否定することを目的としたものではありません。 Matterportには、施設全体の立体的な把握や、 統一されたプラットフォームでの公開・管理など、 適した用途があります。
本資料では、自治体が長期間利用するVRコンテンツを検討する際に、 システムの仕組み、契約主体、クラウド運用、 成果物、移管、継続利用等について 事前に確認することの重要性を整理しています。
Matterportのサービス仕様・料金体系・契約条件等は 将来変更される可能性があるため、 実際の導入時には最新の公式サービス仕様および 契約条件を確認する必要があります。